お葬式と告別式はその本来の意味においては、異なる儀式です。お葬式は、正確には「葬儀式」といい、その名のとおり故人を葬る儀式であり、故人が家族・親族・縁者などの近しい人と別れる宗教的な儀式です。仏式では僧侶がとりしきります。一方、告別式は、この世に生きている人、式に参列するすべての人が故人に別れを告げる社会的な式典です。現在では、どちらの式も同じ日の同じ会場で行なわれるケースがほとんどですが、式の順序は葬式から始まる流れが一般的です。
この場合にも、二つの式を明確に分けて行なう場合と、分けずに行なう場合とがあります。参列者は、自分の出席する葬儀がどちらの方式なのかを事前に確認しておく必要があります。分けて行なう場合は、喪主をはじめとした遺族とその他の参列者が入場した後、僧侶が入場し、着席します。それを見届けてから、進行係はこれから故人の葬式をとりおこなう旨を述べ、読経が始まります。数十分の読経がつつがなく終了した後、弔辞の朗読、弔電披露と続きます。
そして焼香です。その後、僧侶が退場し、進行係は、葬式が終了したことを述べて、この後告別式が続く旨を案内します。会場係は、これから焼香する弔問客に遺族が返礼できるように席を整え直します。改めて僧侶が入場、着席した後、一般弔問客の焼香が始まります。全ての参列者の焼香が終了した後、進行係はこの後出棺が続くことを案内します。二つの式を分けずに行なう場合は、進行係が初めに、これから葬式ならびに告別の式をとりおこなう旨を述べ、式が始まります。この場合、僧侶の途中退場はなく、読経は最後の弔問客の焼香が終わるまで続きます。